Sustainable Development Goals

開発アジェンダの節目の年、2015年の9月25日-27日、ニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、その成果文書として「Transform Our World:the 2030 Agenda for Sustainable Development」が採択されました。

このアジェンダは、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、宣言および目標をかかげました。この目標が、ミレニアム開発目標(MDGs)の後継であり、17の目標と169のターゲットからなる「Sustainable Development Goals(SDGs)」です。

国連広報センターHPより:参照元

SGDsウェディングケーキモデル

ストックホルム・レジリエンス・センター所長であるヨハン・ロックストローム氏が作成した、SDGsの17の目標を「ウェディングケーキ」によって説明したモデル。この図は、地球環境の基盤があることで、私たち人類社会、そして経済が成り立っているということを説明しています。

持続可能な開発目標

Goal 1 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

1990年以来、極度の貧困は大幅に緩和されたものの、最悪の形態の貧困はまだ各所に残っています。貧困に終止符を打つためには、あらゆる個人を一生涯にわたって保護する普遍的な社会保障制度が必要です。また、災害に対する脆弱性を低下させ、各国国内でサービスが行き渡っていない具体的な地域に取り組むことも必要になります。


Goal 2 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

長く減少が続いていた世界の飢餓は、再び広がり始めたと見られます。この後退の主因としては、紛争や干ばつのほか、気候変動関連の災害が挙げられます。


Goal 3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

10年前に比べ、より多くの人々がさらに健康な生活を送るようになっています。しかし、予防可能であるはずの病気に罹る人々は後を絶たず、あまりにも多くの人々が早死しています。病気と不健康を克服するためには、これまで無視されてきた集団や地域に注力し、協調的かつ持続的な取り組みを進める必要があります。


Goal 4 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

全世界の子どもと思春期の若者の過半数は、識字と算術の最低能力基準に達していません。教育の質を改善するには、さらに焦点を絞った取り組みが必要です。ジェンダーや都市・農村部、その他の区分による教育格差は依然として大きく、特にLDCsでは、教育インフラへの一層の投資が必要となっています。


Goal 5 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

女性と女児に対する差別の中には、減少しているものもありますが、ジェンダーの不平等によって、女性は依然として社会進出を阻まれ、基本的な権利や機会を奪われています。女性のエンパワーメントを図るためには、不当な社会的規範や態度などの構造的な問題に取り組むとともに、男女の平等を促進する進歩的な法的枠組みが必要です。


Goal 6 すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

あまりにも多くの人々が、今でも安全に管理された給水・衛生施設を利用できていません。水不足や洪水、適切な廃水管理の欠如は、社会と経済の開発も阻害します。水効率と水管理の改善は、さまざまな部門や利用者からの競合、増大する水需要のバランスを保つうえで欠かせません。


Goal 7 すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

特にLDCsにおける近年の電化の進展と、産業のエネルギー効率改善により、すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保するという目標は、実現に一歩近づきました。しかし、世界が2030年までにエネルギー関連の目標を達成できる目処をつけるためには、各国の優先課題と政策上の野心をさらに強化する必要があります。


Goal 8 すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する

全世界で労働生産性は向上し、失業率は低下しています。しかし、持続的かつ包摂的な経済成長を確保するためには、とりわけ若者を含めて雇用機会を増大させ、インフォーマル雇用と労働市場の不平等(特に男女の賃金格差という点で)を減らし、安全で安心な労働環境を整備するとともに、金融サービスへのアクセスを改善することにおいて、さらなる前進が必要です。


Goal 9 レジリエントなインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る

製造業では、着実な前進が見られます。包摂的で持続可能な産業化を達成するためには、競争力のある経済的要因を解き放つことで、雇用と所得を創出し、国際貿易を促進し、効率的な資源利用を可能にする必要があります。


Goal 10 国内および国家間の不平等を是正する

いくつかの国では、所得の不平等を縮め、LDCsと開発途上国の輸出品に対する無税アクセスを広げ、LDCsと小島嶼開発途上国(SIDS)に追加的支援を提供するための取り組みが進められています。しかし、国内および国家間の格差の広がりを是正するためには、前進を加速させる必要があります。


Goal 11 都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする

全世界の多くの都市は、十分な住宅とインフラの整備から、人口増加への対応、スプロール化現象の環境に対する影響への取り組み、さらには災害に対する脆弱性の低減に至るまで、急速な都市化の管理に関わる重大な問題を抱えています。


Goal 12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する

経済成長と資源利用を切り離すことは、人類が現在、直面する最も重大かつ複雑な課題の一つです。これを実効的に遂行するためには、このような変化につながる環境を整備する政策、社会的・物理的インフラと市場、さらにはグローバル・バリューチェーン全体を通じたビジネス実践の根本的な変革が必要になります。


Goal 13 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

2017年は観測史上で最も暖かい3年のうちの一つとなり、産業革命以前の気温を1.1℃上回りました。世界気象機関(WMO)の分析によると、2013年から2017年の5年間の世界平均気温も史上最高を記録しています。世界中で引き続き、海面の上昇や異常気象(北大西洋のハリケーン・シーズンでは史上最大の被害)、温室効果ガス濃度の上昇が見られます。このことから、各国には、気候変動に関するパリ協定に基づく約束を果たすため、緊急かつ前倒しの対策が求められています。


Goal 14 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

海洋の持続可能な利用と保全を推進するためには、乱獲や海洋酸性化、沿岸部の富栄養化による悪影響に対処するための実効的な戦略と管理が引き続き必要です。海洋生物多様性保護区の拡大や調査能力の強化、海洋科学の財源拡充は依然として、海洋資源の保全に欠かせません。


Goal 15 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

森林と陸上生態系の保護が進み、森林損失は減速しています。とはいえ、生物多様性や土地生産性、遺伝資源を守り、生物種の損失を抑えるためには、その他の土地保全面で引き続き対策を加速する必要があります。


Goal 16 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

世界の多くの地域では、武力紛争や社会と家庭で起こるその他形態の暴力により、数知れぬ恐怖が続いています。法の支配と司法へのアクセス面での前進は、一様ではありません。しかし、一般市民の情報へのアクセスを推進する規定や、全国レベルで人権を擁護する機関の強化については、ゆっくりながらも前進が見られます。


Goal 17 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

目標17は、各国政府、国際社会、市民社会、民間セクターその他の主体を結集させ、2030アジェンダの野心的な目標を支援し、達成するためのグローバル・パートナーシップの強化を目指すものです。いくつかの分野で前進が見られるものの、前進を加速させるためには一層の取り組みが必要です。すべてのステークホルダーが、進展の遅れている分野に取り組みを集中し、強化しなければなりません。


国連広報センターHPより:参照元